ルポールみずほ(秋田市山王4、TEL 018-862-2433)で5月25日、博報堂生活総合研究所(東京都千代田区)のプレゼンテーションツアー講演会「未来系地域生活」が開催された。
当日は、同研究所が昨年全国の生活者を対象に行った「地域生活」についての調査結果を踏まえ、同研究員の吉川昌孝さんが2時間に渡って「地域のリ・デザイン」について語った。
講演は4部構成で、第1部~第3部では、都道府県別の傾向を緻密なデータをもとにスライド解説。地域への満足度は、「便利」「個性」「安心」「自然」など8つの欲=「地域8欲」で構成されているとし、この「地域8欲」の均衡からさらに5種のモデル=「便利な都市型」「自然共生ロハス型」「お値打ち型」「お値打ち&ロハス型」「ほどよくバランス型」に分類されると定義。
一番人気のあるモデルは「ほどよくバランス型」で、50%以上の圧倒的支持を受けているという。吉川さんは「地域格差や合併・道州制問題、シャッター通り現象などネガティブな要素を抱えながらも、『7割以上の生活者が現在住んでいる地域エリアに満足している』というポジティブな調査結果には驚かされた」と話した上で、「住めば都」というシンプルな結論を打ち出した。
第4部では、秋田県に焦点を絞って話が進められた。同県は「地域8欲」の項目別では平均を下回るものが多く、総合満足度は全国最下位、モデルタイプは物価や土地が安くて自然豊かな「お値打ち&ロハス型」に該当するという。今後の方向性として吉川さんは、近所付き合いや地元への愛着の強さに着目し、「自然を大切にしつつ、家族や友人で助け合いながら土地に根を張る『秋田独自のロハスモデル』」を提案。「相互扶助を活かした『互助ロハスモデル』に強い可能性を感じる」と締めくくった。
参加した秋田市在住の女性クリエーターは、「人のつながりを大切にする秋田の特徴を客観的なデータから再確認することができ、有意義で楽しかった。互助に光を当てることで、新しい突破口が開けるのでは」と話していた。