現代の名工・小高重光さんの組子細工-秋田のギャラリーで展示会

「日本は後世に伝えられる文化を残していくべき」と話す小高重光さん

「日本は後世に伝えられる文化を残していくべき」と話す小高重光さん

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 現代の名工・小高重光さんの「組子細工展示会」が12月4日から、デザインスペース「ル・エタージュ」(秋田市山王5、TEL 018-824-3566)で開かれている。

現代の名工・小高重光さんの組子細工作品

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 1970年代、全国建具展示会で内閣総理大臣賞を4年連続受賞したほか、1982年に卓越技能賞、1993年に黄綬褒章も受賞した小高さんは、現在も組子細工作品の制作に取り組む「現代の名工」。

 同展に展示する作品は、今年7月、由利本荘市にを開館した「千年の匠・工芸館」に展示する作品など約150点。「ぐい呑み」(500円)や「コースター」(1,000円)など小物作品のほか、2千年以上鳥海山の噴火による泥流に埋もれて育成された「鳥海神代杉(埋れ木)」を長期間乾燥させた素材を使った「神代杉組子衡立」(135万円)や黒い神代杉や赤いチーク材などの木が本来持つ色合いだけで文様を浮かび上がらせた道具箱(価格未定)などの大作も。

 制作のためにデザイン案や設計図を描かないという小高さんは「デザインは頭の中にあるので、24時間働いているようなもの(笑)」と話す。「ヨーロッパや中国を訪問して以来、技能に対する考え方が変わった。日本も文化遺産として残していけるモノをもっと作るべき」(同)とも。

 小高さんは、小学生や一般を対象に技術の継承にも努める。「頭の悪い子どもなどいない。私もゼロからやってきたし、若いころは制作を辞めたいと思ったこともあるが、やる気さえあれば誰でもできる」とし、「生きてきて、何かを残したいという信念が大切。現代の名工などと呼ばれるが、自分がやっていることでは、まだまだ」と話す。

 同店の高橋美津子社長は「小高さんの作品は、秋田が世界に誇れるもの。繊細にして重厚な作品群を当店の内装コンセプトで楽しんでもらえれば」と話している。

 営業時間は11時~19時(日曜・祝日=13時~18時)。今月10日まで。

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