秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)でプロダクトデザインを学ぶ学生6人が、現在、自動ドアの開閉補助ツールの開発に取り組んでいる。
昨秋、クマの目撃が相次いだ秋田市内。クマが自動ドアを開けて建物に侵入する事例もあったことから、多くの施設が自動ドアの電源を切った。同大のある新屋地区でもクマの目撃情報が寄せられたため、大学構内の自動ドアを手動化したところ、ドアの仕組み上、人力の開閉には見た目以上の力が必要だったことから、苦慮する学生らの姿が多く見られたという。
現在、市内の多くの施設は、ドアに吸盤式「取っ手」を仮設することで対処しているが、「プロダクトデザインの可能性をポジティブに広げる機会」と、同大ものづくりデザイン専攻の柚木恵介准教授が、自動ドアの開閉補助ツールを学生の制作課題に設定。取っ手の付いていないドアを開けるために指を掛けられる程度の隙間を作ることや、携帯できるサイズであることなどを条件に、学生6人が開発に取り組んだ。
2枚のドア扉の間に差し入れてテコの原理を生かして開ける板状の作品やはさみ型の作品、ドアのスライドを容易にするスティック型の作品、厚みを変えた円形パーツを扉の隙間で回転させることで開く作品など、キーホルダーのように持ち歩ける工夫を盛り込みながら、長さ5~20センチ、重さ10~20グラムほどのツールをそれぞれ考案。CADや3Dプリンターを活用し、試作を繰り返しながら制作した。
柚木准教授は「クマ被害の多い秋田で、身近な社会課題を解決する試み。学生が考えて作り、使うことで確かめ、改良するプロセスを実践できたのでは」と話す。
今月30日に作品の講評会を開き、ツールの使い方の動画や3Dプリンター向けデータの公開などを検討する。