老舗割烹「かめ清」(秋田市大町4、TEL 018-862-2729)が今年、創業130年を迎える。
2001年に改装した約70坪の店内には計30席を設け、琉球畳の座敷席やテーブル席など3室ある個室は全てデザインが異なる。料理に使う食材は地物にこだわり、きりたんぽや比内地鶏を使った郷土料理コース(6,480円~)、旬の食材に合わせて毎月内容を変える会席コース(6,480円~)などを用意する。
1886(明治19)年創業の同店は、現在の雑賀清一社長で5代続く老舗。創業の地である秋田市の繁華街「川反(かわばた)」で営業を続けるほか、2002年には飲食店の営業などを目的に「フードクリエイト・サイガ」(大町4)としてグループ化。「ペペロンチーノ」(大町1)と「ラ・グロッタ」(中通2)のイタリアンレストラン2店のほか、2001年には同店1階を「遊食さい賀」(大町4)として開業し、営業を休止していた洋食店「千秋軒」(中通2)を2010年に復活開業するなど幅広く展開する。
2014年にはおかみの雑賀友子さんが中心となって食品の加工・販売を目的に「かめ清フードサービス」(大町6)も設立。魚介類を秋田味噌に漬け込んだ「魚介の秋田味噌漬」を商品化し、ネット販売事業にも力を入れる。
「創業時からの伝統やコンセプトなど変えてはいけないことがある一方、業界で生き残るためには変えなければならないこともある。130年続けてこられたのは、時代に敏感であることやチャレンジ精神が受け継がれてきたためでは」と雑賀社長。「これからも食を通して、お客さまだけの特別な時間、至福の時間を楽しんでいただけるよう営業を続けられれば」と話す。