ウェブクリエーターのためのセミナーイベント「CSS Nite in AKITA」が11月24日、「大学コンソーシアムあきた」(秋田市中通2、TEL 018-825-5455)で開催され、県内外のホームページ制作会社の担当者やウェブデザイナーなど約100人が参加した。
アップルストア銀座(東京都中央区)で2005年に初めて開催された同セミナーイベントは、同店での定例開催が評判となったことから「地方版」として全国の地元有志らが誘致するようになったもので、これまでに大阪や沖縄など8カ所で計47回開催し、延べ9,421人が参加する「ウェブ業界最大」(主催者)のセミナーイベント。
「秋田版」は、ホームページ制作などに従事する地元のSOHOワーカーら有志による実行委員会が企画したもので、講師に同イベントを主催する「スイッチ」(東京都足立区)の鷹野雅弘さん、ウェブコンサルティング会社「インフォアクシア」(東京都武蔵野市)の植木真さん、秋田出身のプログラマー新谷剛史さんの3人を迎えた。東北では4月に開催された「青森版」に次いで2回目となる。
視覚などにハンディーを持つ人や高齢者にとって、ホームページの利用しやすさの程度を意味する「アクセシビリティ」の研究が専門の植木さんは、静岡県立大学教員で全盲のインターネットユーザーである石川准さんが「音声読み上げブラウザ」を利用してパソコンを操る様子を動画で紹介しながら、「ウェブサイトの音声読み上げブラウザへの対応は最大の難題で、費用対効果の観点からこれに消極的なウェブ制作者も少なくない」との現状を紹介しつつ、「多様化するインターネットユーザーに対応することは検索エンジン対策上も非常に重要で、ビジネス上のチャンスも増やす」と話した。
セミナー中でウェブ制作業者に定番のソフトウエアであるAdobe(アドビ)社製品のほか、ライバルのマイクロソフト社製品も積極的に紹介することについて、鷹野さんは「私は大のアップルコンピューターのファンだが、何事もバランスが大事」とし、最新のウェブ制作ツールの紹介をした秋田出身の新谷さんに、鷹野さんが「凱旋(がいせん)講演ですね」と声をかけると会場からは明るいどよめきが起こる場面も。
続く懇親会では、自社サイトを再構築中という秋田放送ホームページ担当者が「テレビ局など企業が大きくなるとそこで働く個人が見えなくなりがちだが、ウェブ業界にある皆さんの自由さが素晴らしい」との感想に、鷹野さんは「まだ成熟していない業界のためかもしれない。特に首都圏でのウェブ業界は分業が進んでいる」と答えるなど、業界の垣根を越えて親睦を深めた。
イベント実行委員長の菅原さんは「私自身はウェブが専門ではないが、実行委員の熱意で良いイベントを開催することができて良かった」と話していた。
同イベントは来年1月、仙台での開催も予定している。
CSS Nite in AKITACSS Nite秋田で「ウェブ標準規格」推進セミナー(秋田経済新聞)「CSS」テーマにしたウェブイベント(仙台経済新聞)