岩手県大槌町へツアー旅行中、東北地方太平洋沖地震に遭った秋田県五城目町と井川町の両「老人クラブ」の有志が3月20日・27日、大槌町に「恩返し」の義援金募金活動を行う。

「恩返し」義援金募金活動を行う五城目町の通称「朝市通り」

　同ツアー客42人と添乗員1人は10日から、同町海岸沿いの「浪板観光ホテル」に宿泊した。ホテルの地下ホールで芝居を観劇中に地震が発生した。同町が大津波に見舞われ、その後、連絡が取れなくなったことから安否が気遣われていたが13日、一向はホテルが用意したバスで無事帰還した。

　ツアーに参加した五城目町在住の猿田利美さんは「ホテル従業員の皆さんの誘導がなければ助からなかったと思う。炊き出しをしてくれたり、ストーブを提供してくれたりするなど、被災しているにもかかわらず地元の皆さんも温かく支えてくれた」と被災状況を振り返る。

　両クラブでは米や手縫いの雑巾などの物資を送る予定もあるが、「より多くの善意を届けることで恩返しをしたい」と義援金の募金活動も思い立った。

　震災当日、同ホテルの「はんてん」を着たまま避難したことから、感謝の意を込めてはんてん姿で募金活動を行うという。「被災地は想像を絶する状況。秋田から一人でも多くの善意を届けられれば」と猿田さん。

　募金活動は、五城目町下タ町通り「五城目朝市」で3月20日・27日の9時30分～11時30分に行う。