株式会社ブロードバンドセキュリティ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:滝澤 貴志、以下 「当社」)は、「Gomez 投信運用会社サイトランキング2025」をGomezのウェブサイト(https://www.gomez.co.jp/)で発表したことをお知らせします。
本ランキングは、投資信託運用会社(以下「投信運用会社」)が運営するウェブサイトをユーザーの視点から客観的に評価することを目的としています。評価では、基本的なサイトパフォーマンスやユーザーフレンドリーな構造、アクセシビリティへの配慮に加え、個別の投資信託の商品情報や各種報告書、パフォーマンスデータなどが分かりやすく掲載されているかを重視しています。また、多数の商品を取り扱う投信運用会社が多いことから、投資信託の検索や絞り込み機能の使いやすさも重要な評価対象としています。
さらに本年は、従来からの評価軸を拡張し、スマートフォンでの利用体験を重視したユーザビリティ評価を強化しました。加えて、AIO(AI検索最適化)の基盤となるテクニカルSEO(サイト構造を最適化し、検索エンジンに正確に情報を伝えるための技術的施策)に関する新たな評価カテゴリを設け、全体の評価項目を大幅に拡充しています。
金融庁が推進する「資産運用立国」の実現に向けた取り組みが本格化するなかで、資産運用会社の経営体制やプロダクトガバナンス、アセットオーナーシップ改革に対する社会的注目が一段と高まっています。とりわけ、有望な企業の選定やエンゲージメントを通じて投資先の成長を支え、経済全体の発展に寄与する資産運用会社は、「成長と分配の好循環」を担う存在として、その役割が一層重視されています。
こうした社会的使命を踏まえ、資産運用会社には、運用力の強化や顧客本位のビジネス運営に加えて、説明責任、スチュワードシップ、サステナビリティ対応の高度化が求められています。これらの動向を踏まえ、本ランキングでは、従来のサイト全体のユーザビリティや商品情報の充実度に加え、プロダクトガバナンス体制、運用プロセスの透明性、運用責任者・チームの専門性、サステナビリティおよびフィデューシャリー・デューティーへの対応など、信頼性と説明責任の観点をより重視して評価しています。
本ランキングでは、ユーザーの視点にもとづいて設計された6つの視点(カテゴリ)から構成される207の調査項目により当社のアナリストが評価を行いました。
「Gomez 投信運用会社サイトランキング2025」上位10社は、次のとおりです。

「Gomez 投信運用会社サイトランキング2025」(2025年11月26日発表)
※11位以下の総合ランキング結果はGomezのウェブサイトをご覧ください。
※前回順位は、「Gomez 投信運用会社サイトランキング2024」(2024年5月15日発表)に基づきます。
【総評】
金融庁による「資産運用立国」の実現に向けた取り組みが制度面と実務面の双方で進展し、資産運用業界は大きな転換期を迎えるなか、資産運用会社には投資家の最善利益を確保するための透明性、説明責任、そして顧客本位の情報発信が、これまで以上に求められています。ウェブサイトはこうした社会的期待に応える重要な接点であり、資産運用会社が自らの理念や運用プロセス等を明確に示すことは、投資家からの信頼獲得に直結する取り組みとなっています。
2025年に調査対象となった投信運用会社(40社)では、こうした社会的期待を背景に情報開示姿勢の着実な前進が見られました。全社的な投資哲学をウェブサイト上で明示する企業は33社(82.5%、※以下%はノミネート企業の達成率)と前年の30社(達成率75.0%)から増加し、議決権行使ガイドラインを掲載する企業も29社(同72.5%)から31社(同77.5%)に拡大しています。さらに、企業との対話方針を明記する企業も20社(同50.0%)に達し、エンゲージメント活動の透明化が進んでいます。プロダクトガバナンスに関する情報を具体的に掲載している企業も9社(同22.5%)となり、商品組成や品質管理に関する情報発信が広がりつつあります。
一方で、商品選定に直結するコストやリスク、パフォーマンスデータのわかりやすい提示については、依然として改善の余地があります。特に、信託報酬や購入時手数料をHTML上で明示する企業は半数に満たず、検索機能でコスト別に並べ替えが可能な企業は2社(同5.0%)にとどまっています。こうした情報提供の遅れは、依然として投資家が証券会社や銀行などの販売チャネルに依存する一因となり、投信運用会社自身のウェブサイト活用が十分に進んでいない現状を示しています。
資産運用立国の実現において、投信運用会社のウェブサイトは単なる情報発信の場にとどまらず、投資家が主体的に判断するための基盤としての役割が一層重要になっています。2025年は、各社の意識改革が徐々に形となり、情報発信の質的向上が確認できた一年でした。今後は、こうした取り組みが業界全体に定着し、投資家との信頼関係をさらに強化していくことが期待されます。
【上位サイトの特徴】
総合第1位は、アセットマネジメントOneが獲得しました。
同社のウェブサイトは、全体の構成や導線設計が明快で、投資初心者から経験者まで幅広いユーザーが目的の情報にスムーズにアクセスできる点が高く評価されました。主要メニューは階層構造が整理されており、情報量が多いながらも視認性と操作性を両立しています。デザイン面でも、コーポレートカラーを効果的に用い、文字サイズやコントラストへの配慮によって高いアクセシビリティを実現しています。また、投信の個別商品ページでは、信託報酬や購入時手数料をHTML上で明示しています。
理念や運用体制をわかりやすく伝える姿勢が際立っていることに加え、「責任投資」や「議決権行使」に関する情報も具体的で、エンゲージメントの実績や考え方を数字やグラフを活用しながらわかりやすく発信している点も高い評価を獲得した理由として挙げられます。同社の特徴的なページである「公募投資信託の運用パフォーマンスに関する成果指標(KPI)について」では、経営方針に基づくKPI(重要業績評価指標)や運用成果を定量的に開示しており、資産運用会社としての説明責任と透明性を明確に打ち出しています。
総合第2位は、野村アセットマネジメントとなりました。
同社のウェブサイトは、構成の明快さと情報量のバランスに優れており、豊富なコンテンツを整理しながらも、ユーザーが求める情報にアクセスしやすい設計となっています。「ファンド・レビュー」や「投資信託を探す」など、個別ファンド情報への導線が明確に配置されており、情報の探しやすさと操作性が高く評価されました。加えて、スマートフォン表示でも統一感が保たれ、スマートフォンでの閲覧時にも読みやすく操作しやすい設計となっています。
さらに、トップメッセージ、CIOや各ファンドマネージャーの経歴やインタビュー紹介も豊富で、運用体制について積極的で具体的な情報発信をしています。トップページファーストビューには、「ファンド・レビュー」への動線を設け、プロダクトガバナンスに関する考え方や詳細で充実した「ファンド・レビュー・レポート」(PDF)を掲載しています。
総合第3位は三菱UFJアセットマネジメントとなりました。
同社のウェブサイトは、構成が整理された実用的でわかりやすい設計となっています。グローバルナビゲーションに設けられた「シミュレーションツール」では、リスク許容度や目標金額に応じた運用シミュレーションを簡単に行うことができ、ユーザーの投資判断を効果的に支援しています。チャットサポートも導入しています。
また、サイトパフォーマンスとテクニカルSEOから構成されるテクニカル評価カテゴリにおいて、高い評価を獲得しています。
【調査概要】

【評価方法】
本調査では、以下の6つの視点(カテゴリ)から設定された207の調査項目をもとに当社のアナリストが評価を行います。

【Gomezについて】
Gomezは、インターネット上で提供されるサービスを中立的な立場から評価・分析し、インターネット利用者の利便性向上とEコマース市場などの拡大に貢献するための情報提供・企業向けのアドバイスを目的とし、消費者・企業双方に対して利益となる情報を掲載しています。
Gomezを運用するゴメス・コンサルティング本部は、BBSec が2021年7月にモーニングスター株式会社より事業継承しております。
【BBSecについて】
BBSecは、ITセキュリティの診断・運用・保守・デジタルフォレンジックを手掛けるトータルセキュリティ・サービスプロバイダーです。「便利で安全なネットワーク社会を創造する」をコンセプトに、2000年11月の設立以来、高い技術力と豊富な経験、幅広い情報収集力を生かし、大手企業、通信事業者から IT ベンチャーに至るまで、様々な企業のITサービスをセキュリティ面でサポートしています。