大学生による事業プランの発表会が12月10日、秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)で行われた。
ベンチャー投資事業などを手がけるスパークル(仙台市)が、秋田県と福島県の大学に通う学生起業家の発掘や育成を目的に、9月から取り組む「アオタケプロジェクト」事業の一環。
同社の公募に応じて事業プランの立案に取り組むのは、秋田公立美術大学とノースアジア大学(下北手桜守沢)に通う学生1人ずつ、会津大学(福島県)の学生9人に加え、慶応義塾大学(東京都港区)と東京都立大学(東京都八王子市)の学生1人ずつの計13人。秋田公立美術大学の学生5人が、それぞれの事業に必要な制作物のデザインなどでサポートする。
プロジェクトの中間発表会として開かれたプレゼンテーションには、5大学の13人が9組に分かれて臨み、観光や流通などの分野でスマートフォンのアプリやSNSを活用するプランなどを披露した。
秋田公立美術大学3年でコミュニケーションデザインを専攻する青木眞尋(まひろ)さんは、医療機器「AED」の設置場所を周知するためのプランを発表。「AEDを使う場面に立ち会った体験から、人命救助のために周知の必要性を強く感じた。当プロジェクトを通じて人とのつながりが広がり、起業が将来の選択肢の一つとして視野に入った」とプレゼンテーションを振り返る。
同社で同事業を担当する市川竜也さんは「秋田と会津には、ポテンシャルの高い学生が多い一方、起業の意識は低い。成果を出すことにこだわり過ぎず、挑戦する場として当プロジェクトを活かしてもらえれば」と話す。
大学生らは、今後、専門家のアドバイスを受けるなどしながら、福島県内で1月に開催予定の最終成果発表会へ向けて事業プランに磨きをかける。