秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)の開学10周年記念展「美大10年(あきびじゅうねん)」が7月6日、秋田市文化創造館(千秋明徳町)で始まった。
前身の秋田公立美術工芸短期大学から、2013(平成25)年4月に移行開学した同大学。地方の美術大学ならではの問題意識を提起し、10年にわたり展開する教育や研究の成果を振り返りながら、市民と共有する展覧会として企画した。秋田経済新聞などが後援する。
「新しい芸術領域を創造し、挑戦する」との理念に基づく同大学生の取り組みを、鑑賞者が疑似体験できるよう、入学から卒業、その後の活動になぞらえて館内を6章のテーマに分け、施設3階から1階に降りる順路で展開する。
大学の入試問題でデッサンを描いた受験生の解答用紙や、学生や教員が見る地域の風景や価値の捉え方を写真パネルや映像などで紹介するほか、同大学が授業などで重視する、地域を歩いたり、住民の話を聞いたりするフィールドワークの意義を伝える作品や、通常は公開しない制作プロセスが分かるよう工夫を施した作品など、全国的に高い評価を受ける卒業生や教員ら60組以上の作品を展示する。
同展を統括する同大学院教授で美術家の岩井成昭さんは「芸術を介した新しい価値観と生活を思い描くことをができるような記念展。市民の皆さんに支えられながら、当大学が探求し、10年で上げた成果を共有できれば」と来場を呼びかける。
営業時間は12時~20時(土曜・日曜・祝日は10時から)。入場無料。8月7日まで。
期間中、同大学教授らのギャラリートークやシンポジウム、ワークショップなどの関連事業を多彩に展開する。