秋田市のギャラリーなどで、現在、家庭に眠る「置物」の提供を受け付けている。
家庭で使われなくなった焼き物などを集めて再焼成し、新たな作品を社会に還元することなどが目的のプロジェクト「サイネンショー」。東日本大震災をきっかけに2012(平成24)年、陶芸家で滋賀県立陶芸の森館長の松井利夫さんが始めた呼びかけから全国に広がる。
秋田では、京都芸術大学大学院で松井さんの教え子の小熊隆博さんが五城目町在住であることから呼び掛け人となって、県内の家庭に眠る陶磁器やガラス、鉄製など耐火性のある置物の提供を募る。目標は300点。
寄せられた置物などは、穴窯で数日間をかけて焼き直して新たな作品に再生し、小熊さんが運営するギャラリー「ものかたり」(五城目町)で11月の展示を予定する。
小熊さんは「秋田や東北にまつわる置物を中心に集めたい。当プロジェクトに関わる皆さんと一緒に新たな価値を引き出す様子を楽しみながら『作者のいない展覧会』を作り上げられれば」と話す。
五城目町の同ギャラリーと馬場目ベース(五城目町)のほか、ココラボラトリー(秋田市大町3)、yuzaka(鹿角市)、平山はかり店(能代市)、大龍寺(男鹿市)、書店ミケーネ(羽後町)の7カ所で受け付ける。持ち込みは一人5点まで。記念品と引き換えの有料回収サービス(2,500円~)も用意する。受け付けは9月30日まで。