ご当地ヒーローの企画・制作などを手掛ける秋田県にかほ市在住の海老名保さんが、現在、会員制コミュニティー・オンラインサロンの開設準備を進めている。
同市内でスポーツジムを経営するほか、ご当地ヒーローのプロデューサーとして知られる海老名さん。秋田のご当地ヒーロー「超神ネイガー」を皮切りに、沖縄の「琉神マブヤー」や岩手の「鉄神ガンライザー」など、これまでに手掛けたヒーローは数十件に及ぶが、「人生は陰と陽」と話す。
生来、体力に自信のあった海老名さんは「タイガーマスクに憧れていたこと」などから、高校卒業後に上京してプロレス団体に入門するが、トレーニング中、頭部に緊急手術を要する大けがを負ったため格闘家への夢を断念。今度は「特撮ヒーロー好きを生かそう」とアクション俳優を目指すも、競争の激しい業界で芽が出なかった。その後、ジムトレーナーなどを経て、トレーニングジムを開業した。
それでもヒーローへの憧れを忘れられず、幼なじみの高橋大さんら数人の友人に声を掛け、2003(平成15)年、ヒーローショーなどの運営を始めたところ、完成度の高いマスクなどの造形物やプロレスと演技で培った本格的なアクション、高橋さんが手掛ける地域に密着したストーリー設定などで全国的な注目を集めた。
プロジェクトの最盛期には、脚本家や格闘家、作曲家、発破技士などの専門家も集まったが、20人以上に上る大所帯に発展した組織は運営の難しさを伴い、半数以上のスタッフがプロジェクトを去る事態を招いた。その後、超神ネイガーの運営をデザイン原作者の高橋さんらに委ね、海老名さんは、東日本大震災直後に「東北合神ミライガー」、2016(平成28)年には、タイのヒーローをプロデュースし、現地でテレビ番組を制作するなど活躍の場を海外に広げたが、コロナ禍で出演イベントは激減。トレーニングジムの利用者減にも見舞われるなどし、現在、苦境に立つ。
「これまでに多くの困難を乗り越えてきたが、今も逆境に立ち向かっている。人生の成功や失敗、困難に立ち向かう勇気や、多くの経験から得た心構えなどを皆さんと共有しながら、一緒に前へ進みたい」と海老名さん。「人生には『陰と陽』がある。最悪の状況にあっても、わずかな光を見出すことはできるはず。リアルタイムで、さまざまな困難を笑顔で乗り越えていく前向きなコミュニティーを作ることができれば」と参加を呼び掛ける。
オンライン会議システムを使うセミナーやメンバー限定のSNSグループを通した交流のほか、オフ会などのイベントも予定する。
現在、2022年1月の立ち上げへ向けて第1期メンバーを募集する。会費は2,000円前後を予定する。