秋田県立美術館(秋田市中通1、TEL 018-853-868)で、現在、企画展「怖い浮世絵展」が開かれている。
平将門の娘・滝夜叉姫が妖術を使って巨大な骸骨に源氏を襲わせる場面を描いた歌川国芳の作品や、老婆姿の鬼が切り取られた自分の腕を取り返して持ち去る平安時代の伝承を描いた月岡芳年の作品など、四谷怪談などが流行した江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師らの作品104点を特集展示する。
同館学芸員の佐々木佳苗さんは「描かれた着物の繊細な色使いや凹凸のある立体的な模様など、浮世絵の制作に関わった絵師や彫り師、刷り師の高い技術と構図の工夫など、さまざまな視点から作品を楽しんでもらえれば」と来館を呼び掛ける。
美術の授業の一環で来場したという大仙市の中学3年生は「妖怪の恐ろしい表情が印象に残った。それぞれの浮世絵が描かれた背後のストーリーを知ることで、見た目の怖さ以上に面白さを発見できた」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。入場料は、一般=1,000円、高校・大学生=800円、中学生以下無料。9月5日まで。