明治期築の古民家・渡邉幸四郎邸を改装したカフェ「machiya cafe WAWAWA(わわわ)」(秋田市新屋表町)が8月下旬、営業を始めた。
「ドイツ人建築家ブルーノ・タウトやイギリス人女性紀行家イザベラ・バードなど、海外の知識人に高く評価された」という建物の特長を生かしながら、カフェ向けに店内を改装した。
計60畳ほどある1階の広間にテーブル約30席を設けるほか、池のある内庭に面した5坪ほどの部屋にはバーカウンターを設置。夜間は、バー「蛙庵(かわずあん)」として営業する。
コーヒー(400円)、ビール(500円)などのドリンク類のほか、ランチ(800円~)を提供する。今後、メニューの充実を図る。
数年前、老朽化のために取り壊しも検討された同建物。現在、地元のNPOが借り受け、建築物への造詣が深く、バーの営業経験もある芳賀洋介さんに管理・運営を委託する。店舗営業のほか、建物の改装も芳賀さんが手掛ける。
マッキントッシュやアルテック、JBL、タンノイなど、店内に数セット設けられた往年の高級オーディオ機器は「運営趣旨に賛同する市民から提供を受けたもの」。ピアノやギターアンプなどを設置した演奏スペースも設けるなど、音楽関連の設備を充実させた。
販売収益を建物の維持保存費に充てることを目的に、2017(平成29)年から建物の1室を使い、市民から寄贈された中古レコードの販売事業にも取り組む芳賀さん。
「建物を維持しながら新屋地区のにぎわいを生むための方策について、4年ほど前から検討してきた。カフェ営業にとどまらず、この後も改修を続けながら皆さんに足を運んでもらえる店づくりを展開できれば」と意欲を見せる。
営業時間は、カフェ=11時~17時(土曜・日曜・祝日のみ)、バー=19時~24時(日曜定休)。