秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)の学生が制作した難易度の高い「ジグソーパズル」が現在、国内外で注目を集めている。
パズル作品が高い評価を受ける秋田市在住のアーティスト・浅香遊さん
パズルを考案したのは、3月21日に同大学を卒業したばかりの浅香遊さん。大学の授業で制作したジグソーパズル作品を皮切りに、パズルを構成するピースの数や形状、色などからネーミングした5種類の作品を在学中にシリーズ展開した。
中でも注目を集めるのは、同大学の卒業作品展で学長賞を受賞したほか、アメリカ・カリフォルニア州で昨年8月に開かれたパズルデザインの世界大会で入賞を果たしたパズル作品「Jigsaw(ジグソー) 29」。
透明な水色のアクリル板で作る29個のピースを縦横13.6センチほどの枠内に組み上げる。一見、一般的なジグソーパズルと変わらないピースの形状ながら、「人の持つ固定観念を仕掛けに取り入れることで完成難易度を高めた」(浅香さん)。
カナダ在住のユーチューバー、クリス・ラムゼイさんが「一般的なパズルとは全く違う」「とてもクリエーティブなパズルだ」などと評して3月6日、「最も難しいジグソーパズルを解いてみる レベル10(Solving The HARDEST JIGSAW PUZZLE!! LEVEL 10!)」と題する動画を公開した。
ラムゼイさんが、わずか29ピースのジグソーパズルに2時間ほどかけて挑戦する様子を撮影した動画の再生回数は、公開2週間ほどで約465万回、コメント数は6400件に上る。現在、浅香さんの下に多くの問い合わせが寄せられているという。
浅香さんは「有名なユーチューバーに取り上げられていると知人から知らされて驚いた。人は無意識のうちに決め込んでしまいがちな、形に対する暗黙の了解やルールなどがある。ラムゼイさんも私が意図した通りに間違えるなど苦戦されたようだ(笑)」と、してやったりの様子。
アイデアとデザインの考案、出来栄えの検証作業など完成までに3カ月ほど要するという、浅香さんのパズル作品。「私の作品を『新しい』と感じてもらえることがうれしい。大学卒業後も秋田市内で制作活動を続け、30種類のパズル作品の考案を目指したい」と意気込みを見せる。
現在、4月の本格販売へ向けて作品シリーズの製品化の準備を進めるほか、今夏には新作2種類の発表を予定する。
価格は2,000円~3,000円前後を予定。