米国の医療保険問題を取り上げたマイケル・ムーア監督作品「シッコ(SiCKO)」が3月27日・28日、秋田市文化会館(秋田市山王7、TEL 018-865-1191)で上映される。
「病人」「変人」などを揶揄(やゆ)するスラング「シッコ」と題された同映画は、市場原理が導入され、先進国の中で唯一、国が関わる医療保険制度がないアメリカの医療の実態を浮き彫りにし、約5,000万人の保険未加入者だけでなく、約2億5,000万人の民間保険加入者の立場から、各国の医療制度と対比するなどして、米国の医療保険問題を訴えた問題作。保険金の支払い拒否により利益を上げる医療保険会社、支払われるべき医療費が製薬会社によってコントロールされた医師によって制限されている実態、これらに癒着し、政治家により構築された社会構造を扱い、2007年カンヌ国際映画祭で特別招待上映されるなど、アメリカを中心に社会に大きなインパクトを与えた。
マイケル・ムーア監督は、これまでにもアメリカの銃社会の問題を描いた「ボウリング・フォー・コロンバイン」、ブッシュ政権を批判した「華氏911」など、アメリカの社会問題を扱うドキュメンタリー映画を発表し、世界的に注目を集める社会派の映画監督。
同作品を上映する秋田映画センターの吉田幸雄さんは「日本でも4月から、後期高齢者医療制度が施行される。アメリカの制度を追随することが多い日本だが、本当の自己責任のためにも、この映画を多くの人に見ていただくことで、国内の医療制度を考えるきっかけにしてもらえれば」と話している。
上映時間は、14時~16時05分、16時20分~18時23分、18時45分~20時08分の3回。一般=1,300円(前売り1,000円)、高校生以下=800円(当日のみ)。問い合わせは、秋田県映画センター(TEL 018-862-9978)まで。
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