秋田出身の小説家・武田久生さんが10月30日、デビュー作「月光町ブルース」(リトル・ガリヴァー社)を出版した。
幼少のころより読書好きだった武田さん。大学生時代に小説家を志し、ホームページで著作を公開したり、大学卒業後はインドやネパールなど世界各地を回ったりしながら執筆活動に取り組んできた。現在は秋田市内に在住し、朗読イベントで作品を発表するなどの活動を続ける傍ら、2008年にリトル・ガリヴァー社(大阪市天王寺区)の作品公募に応募。初めての出版にこぎ着けた。
ストリートミュージシャンの「プロ」と心臓疾患の少女「ユッコ」の心の交流を見守る表題作のほか、風変わりな人生を送ってきた老人と周囲の人々の日常を描いた「ホラ吹き松吉」の2作品を収録。
「推敲(すいこう)を重ねる中、書き方を見失いかけることもあったが、編集者のアドバイスも受けながら、納得のいく作品に仕上げることができた」とし、「収録した2作品には、カセットテープのA面とB面をイメージした音楽性を与えた。本好きの人はもちろん、音楽好きの人にも楽しんでいただけるのでは」と武田さん。
四六版220ページ。価格は1,260円。