秋田在住のデザイナーが写真展-デジタル機器で「あえて」表現

日常生活の中で撮りためた写真をあえてデジタルデータで表現した写真展「PHOTONE(フォトーン)」と後藤仁さん

日常生活の中で撮りためた写真をあえてデジタルデータで表現した写真展「PHOTONE(フォトーン)」と後藤仁さん

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 秋田市在住のデザイナー・後藤仁さんの個展「PHOTONE(フォトーン)」が9月9日~13日、アートスペース「ココラボラトリー」(秋田市大町3、TEL 018-866-1559)で開催されている。

白く塗りつぶした新聞束に新聞の写真画像を投影した作品

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 「イメージの不確かさ」などをコンセプトに、後藤さんが日常生活の中で撮りためた写真をあえてデジタルデータで表現する同展。写真画像と市内で録音した波音や虫の声などの音声を天井からつり下げた6個の「液晶画面付きミュージックプレーヤー」を使って表現した作品や、配線を樹木に見立てて設置したデジタルフォトフレームによる植物写真のスライドショー、パソコンとプロジェクターを使った作品など計20点をデジタル機器で表現した。

 中には、白く塗りつぶした古新聞の側面写真を新聞の束にプロジェクター投影することで、「実体感のあるものとないものの境を浮き彫りにした」という意欲的な立体作品も。

 フィルムカメラ時代から写真撮影を行ってきた後藤さんは「当初は、フィルムのように形が残らないデジカメに不安があったが、今では逆にデジタルデータがないと不安を感じる」とし、「写真展でありながら写真そのものの実体がない展示を通じて、デジタルではコントロールが効かない領域を表現した」と話す。

 「インターネットの普及などで、多くのものごとが薄くなったり、軽くなったりしているように感じる。イメージの不確かさを表現した展示を通じ、人と人が直接会うことの確かさなどについて、見た人のイマジネーションを喚起できれば」とも。

 展示時間は11時~20時(最終日は17時まで)。入場無料。

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