国重要無形文化財の「竿燈（かんとう）」が、3月25日に東京ドームで開催されるメジャーリーグ「レッドソックス対アスレチックス」開幕戦のセレモニーに出演することが決まり、竿燈に使う専用提灯（ちょうちん）の製作が急ピッチで進められている。

　開幕戦セレモニーに出演する竿燈は4本で、そのうち2本分の提灯92個に両球団のロゴマークを使用。提灯の製作を手がけるのは、竿燈や企業向け提灯を専門に製作する「提灯屋高橋」（秋田市八橋本町4、TEL 018-862-4077）の高橋晴男さん。製作時間の制約から、白い提灯に「シール」を貼ることも検討されたが、「竿燈の演技中にはがれ落ちることもあり、そもそも提灯なのに畳めなくなる」（高橋さん）ことから、すべて「手書き」によって製作。急ピッチで作業が進められている。

　竿燈演技者でもあり、「提灯には子どものころから身近に接してきた」という高橋さんは、独学で提灯作りの技術を身につけ、会社勤めのかたわら趣味で製作してきたが、竿燈向け提灯の作り手が少なくなってきたことなどを理由に1997年、それまで勤めていた会社を退職。提灯の製作工房を開業し、毎年1,000個を超える提灯を製作してきた。

　高橋さんは「大リーグ向けの提灯を作るとは思ったこともなかったが、竿燈は世界のどこに出しても絶対に負けない文化」とし、「松坂大輔投手も岡島秀樹投手も、世界のどこへ行っても負けないで頑張ってほしい」とエールを送っている。

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