全国縦断に挑戦中のプロダーツプレーヤーでお笑い芸人の阿部洋佑さんが現在、秋田県内を徒歩で回っている。
知人と北海道稚内に1泊2日の旅行に出掛けたところ、「稚内から沖縄の石垣島まで47都道府県を徒歩で回りながらダーツの普及活動と芸人修業をしてみては」との提案を受けた。
「日頃から世話になっている知人の命を断りきれなかった」ことから提案に応じたが、与えられたルールは、海峡などを渡る場合を除き徒歩のみで回ることと、携帯電話は緊急時以外使わないこと、芸を披露した際の「おひねり」のみで収入を得ること。6月下旬、1泊2日分の装備とダーツボード、2万円ほどの所持金で、旅先だったはずの稚内を出発した。
公衆トイレで夜を明かしたり、食パンのみで飢えをしのいだりしたこともあったが、ネット動画配信サービスで道中の様子を撮影しながら旅を続けるうち、テントや寝袋などを提供してくれたり、衣類の洗濯を買って出てくれたりする人との出会いがあるなど支援の輪も広がった。
「当初は生きていくことを考えるだけで必死だった」と話す阿部さん。困窮する中、旅先で出会った人に受けた厚意に対して心から出たフレーズ「慈悲ぶけぇ(慈悲深い)」はネット配信の視聴者に受けた。
8月上旬に秋田県内に入り、21日まで秋田市内に滞在。ダーツの普及活動などに取り組んだ。「コンビニの駐車場にいたところ、ダーツボードに興味を示す子どもらもいた。秋田の子どもは人懐っこい」と阿部さん。「旅を楽しく続けているが、旅先で受ける厚意には感謝で涙が出ることも少なくない。自問自答することの大切さにも気が付いた。ネット配信を通じて皆さんと共有できれば」とも。
21日朝、秋田駅前を出発。大仙市協和、仙北市角館・田沢湖などを回りながら、24日に岩手入りを目指す。