「殺し方が違うきりたんぽ」「大吟醸のVIPルーム」「歯がなくても食べられるほど柔らかい県産豚肉」――秋田の特産物を扱うECサイト「口上人(こうじょうにん)」が現在、ユニークな商品紹介で話題になっている。
軽妙な話術を使う江戸時代の露天商「口上人」をモチーフに、「秋田の物産を動画とトークで紹介しよう」とウェブや映像制作などを手掛けるガーラ・アマノ(秋田市山王沼田町)が1月5日に開設した。
秋田の人気タレント・バリトン伊藤さんと女優の根田朋子さんが「口上人」を務め、秋田の日本酒や比内地鶏の親子丼、秋田産米粉を使ったロールケーキなど、これまでに紹介した物産は20品。「テレビショッピング風」「ショートドラマ風」など、本業の技術を生かした動画の趣向も凝らす。
きりたんぽの製造工程で米のつぶし加減が重要なことや、炊いた米をつぶすことを秋田の方言で「殺す」と表現することから、きりたんぽを「殺し方が違います」と紹介したり、肉質の柔らかい県産豚肉を「(食べるために)歯がいらないほど」と紹介したりするなど、キャッチーな「口上」も話題に。
ユーザーアンケートで首都圏の消費者からは、「秋田の方言を理解できない」との意見を寄せられることもあるが、「地元の物産と文化を併せて紹介するコンセプト。方言は周囲の人に意味を尋ねたり、雰囲気で少しずつ伝わったりすることで、むしろ新たなコミュニケーションを生むきっかけになるのでは」(同社の天野洋介社長)と、あえて方言を使うスタンスだ。
今後、「シーズンに合わせた商品紹介など季節感も取り入れながら、秋田の特産物が『売れる』ネットショップを目指したい」と意気込みを見せる。「ユーザーの応援を受けながら成長してくことができるような運営を心掛けられれば」とも。
更新は毎週木曜。掲載する県内特産物についての提案なども随時受け付ける。