20年にわたり秋田県内各地の撮影を続けた写真家・木村伊兵衛の作品集「木村伊兵衛の秋田」が1月20日、朝日新聞出版から出版された。
木村伊兵衛は、日本を代表する写真家の一人。その代表的な作品群である「秋田」は、生前には写真集としてまとめられなかったことから、生誕110年にあたる今年、木村に師事し、日本写真家協会の会長を務める写真家の田沼武能さんの監修により出版された。
昭和20~30年代の秋田県内各地の人物や風景、習俗を撮影した156点のほか、未公開の貴重なコンタクト(ベタ焼き)20点も収録する。
同書を扱う「ジュンク堂書店秋田店」(秋田市千秋久保田町)の中崎店長は「当時の秋田が撮影されており、歴史的な価値があるので、写真に興味がない方でも楽しんでもらえるのでは」と話す。「高価な写真集だが、紙や印刷の質が高い。木村伊兵衛の作品集は少ないので、そういう意味でも貴重。書棚に見本誌があるが、重い本なので店内に設けた椅子に座ってゆっくりとページを開いてもらえれば」とも。
A4版、296ページ。価格は1万5,750円。