秋田市在住の探検家で作家の高橋大輔さんが4月下旬、「ロビンソンの足あと~10年かけて漂流記の家を発見するまで」(日経ナショナルジオグラフィック社)を出版した。
ダニエル・デフォーの小説「ロビンソン・クルーソー漂流記」のモデルとされるアレクサンダー・セルカークの住居跡を世界で初めて発見した高橋さん。2005年9月、世界的な探検や調査プロジェクトを扱う「ナショナルジオグラフィック」誌で調査結果を発表し、大きな話題を集めた。
高橋さんがロビンソン・クルーソーをテーマにした探検記は、1999年出版の「ロビンソン・クルーソーを探して」(新潮社)以来2作目。探検プロセス中の自身の心模様も表現しながらドキュメンタリータッチで構成し、セルカークの生涯を重ね合わせるようなライブ感を追求したという。
「探検本というよりは、生き方のドキュメントとして構成した」と高橋さん。「自分にやりたいことがありながら踏み出せずに悩んでいたり、仕事に悶々とする日々を送っている若い世代の皆さんに読んでほしい。小説のように決まった結論がない中で活動する臨場感や、夢をもって困難を乗り越えることの痛快さを感じてもらえればうれしい」と話す。
四六判、232ページ。価格は1,680円。