CSR(企業の社会的責任)をシミュレーションゲームで体験するイベント「CSRゲーム体験会」が2月19日、サンパル秋田(秋田市大町2)で開催された。
CSRシミュレーション「りんご園ゲーム」を楽しむ参加者と鷹野秀征さん
「講演活動などを行う中、CSRという言葉だけが先行している感があった」と話すのは、東京でCSRに関する経営コンサルティングを行う鷹野秀征さん。「シミュレーションで体験するのが理解への早道では」と、プロジェクターに投影したデータや紙片を使った体験型ゲームの開発を、鷹野さんの元同僚で社会活動などに取り組む秋田市在住の武内伸文さんとの会話を通じて、2年ほど前から進めてきた。「ほぼ形になった」(鷹野さん)ことから昨年12月、初めてのゲーム会を東京で開催した。
ゲームの名前は「りんご園ゲーム」。随時発生する出資者や取引先、地域住民など企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)からの要求のほか、天候など不確定要素に対処しながら、リンゴ園を6年間経営し、「収支」と「ステークホルダー信頼度評価」の2面から経営力を試す。
地元会社員やNPOなどで活動する秋田市民15人が参加して開かれた当日。経営方針や変化する経営環境への対応をゲームで競いながら、CSRへの理解を深めた。
鷹野さんは「あくまで参加者が主体的に考えるゲーム。参加した皆さんからは面白かったという意見が多く寄せられた」とし、「今後は企業の研修などに活用いただくなどして、もっと社会に役立つ経営のあり方の検討に役立てていただければ」と話す。