東北の茅葺(かやぶ)き屋根のある風景がテーマの写真展「茅の家」と絵本原画展「鯨とぼく」が現在、ココラボラトリー(秋田市大町3、TEL 018-866-1559)で開催されている。
同展は、秋田市在住の写真家・桜庭文男さんと、次女で東京在住のフリーアーティスト・圭(けい)さん親子の二人展。東京で活動する圭さんが「故郷の秋田で個展を開催したい」と父の文男さんに相談したことをきっかけに企画した。文男さんの写真作品11点と圭さんの絵本原画14点を展示する。
長年、東北の農村を巡りながら茅葺き屋根のある風景など古民家をテーマに写真を撮りつづけ、昨年、写真集「茅の家~雪国の古民家」も出版した文男さん。「茅葺きの屋根は、地域の住民による共同作業があって初めて維持できるものだが、ひさしぶりに訪れると、消えてなくなっていることも多い」とし、被写体については「失われていくものに対して、写真家として無意識ではなかったのでは」とも。
圭さんの作品テーマは「しあわせ」。クジラなどの生き物をモチーフに、困難な状況にあっても前向きに生きることの大切さを表現した。圭さんは「東京で活動すると地元のことを忘れてしまうクリエーターも多い」とし、「父の写真からは、故郷を愛することや誇りに思うことを教えられた」と話す。
展示時間は11時~18時30分。5月5日まで。