戦後、進駐軍が使用したピアノを使ったジャズコンサート「ジャズでめぐる世界の旅」が3月7日、秋田県立博物館(秋田市金足、TEL 018- 873-4121)で開催される。
同ピアノは、アメリカ・シカゴの「ガルブランセン社」製のアップライトピアノで、1924年の製造。第二次世界大戦中、米軍とともにインドネシアやニューギニアなど戦地で使用され、戦後は市内の進駐軍キャンプ跡地にある旭北小学校に残された。進駐軍で通訳をしていた男性がこれを譲り受け、その後、同館に寄贈した。
通常のアップライトピアノよりも低い全高と広い底面積に特徴がある同ピアノは、内部が鉄骨で補強されるなど、軍での使用や運搬を考えた頑丈な設計。コンサートでピアノを演奏する秋田市在住のジャズピアニスト・早川泰子さんは「一般的なピアノとは違ったユニークな音がする」と話す。
コンサートは、「平和の尊さと音楽の素晴らしさを実感する機会に」(同館担当者)と、ピアノが米軍とともに世界を巡ったことにちなみ、「ジャズでめぐる世界の旅」と題し、「チュニジアの夜」「イパネマの娘」など世界各国の印象をテーマにしたジャズやボサノバのスタンダードナンバー7~8曲を演奏する。
当日は、同館2階ホールに150~200席の特設スペースを設ける。演奏時間は約40分。開演は12時30分(開場=12時)。入場無料。