国際教養大学(秋田市雄和椿川)の学生が高校生の活動を支援する「FROM PROJECT(ふろぷろ)秋田」第13期の報告会が12月1日、同大キャンパスで開かれた。
社会課題の解決などへ向けた高校生の取り組みの伴走支援を目的に、2014(平成26)年に慶応義塾大学の学生が立ち上げた取り組みの秋田版。2015(平成27)年、国際教養大学に入学した竹内菫さんが秋田で活動を始め、以降、同大生が引き継ぎ、9年目を数える。
6月に始まった第13期には、秋田高校、秋田南高校、聖霊学園高校(以上、秋田市)、大曲高校(大仙市)、横手高校(横手市)に通う高校生8人が参加。大学生10人のメンバーによる10回以上の講座を受けるなどして、それぞれが設けた社会課題の解決に向けたアイデアの調査やイベントなどに取り組んだ。
約20人の観客の前で行われた報告会で、秋田南高校1年の畑野翔空(とあ)さんは、町中に増える空き家を中高生の自習室などに活用する可能性を検証し、秋田市に利用法を提案したことを報告。同高2年の宇佐美希夏(ののか)さんは、動画投稿アプリTikTok(ティックトック)を使い動画で秋田の魅力を発信し、アクセス状況などのデータ分析結果を報告した。横手高校1年の小磯真庸(まや)さんは、若者の県外流出に歯止めをかけることを目的に、地元企業にアンケート調査を行うなどして、就職先としての魅力などをパンフレットにまとめ、地元の中学生に配布した。
聖霊学園高校1年の藤本眞生(まお)さんは、同付属幼稚園と保育園で行った育児に関するアンケートの結果から、子育てに係る課題をあぶり出して、秋田市に伝えたほか、子育て中の母親に必要な情報をまとめたチラシを作成した。大曲高校3年の鈴木結奈(ゆうな)さん、横手高校1年の柴田心唯(みゆ)さん、秋田高校2年の佐藤福音(ふくの)さん、大曲高校3年の菅原道真(どうま)さんも、それぞれ社会課題の解決に向けて取り組んだ活動の成果を発表した。
活動を終えた生徒らは「地域が抱える社会課題に対して何かできることはないかと考えていたが、『ふろぷろ』を通じて一歩を踏み出すことができた」と、大学生に感謝を表した。
同プロジェクト副代表の武藤駿介さんは「強い思いを持って行動することで、共感や協力を得られることを体験してもらえたと思う。これからの人生に役立ててもらえれば」と参加者を激励した。
第14期の活動は、来年5月ごろの開始を予定する。