秋田の銘菓を使うワークショップが7月8日、秋田市にぎわい交流館AU(秋田市中通1)で開かれた。
創業1883(明治16)年の老舗菓子店「菓子舗 榮太楼」(本社・秋田市高陽幸町)の看板商品で、ヤマブドウ果汁や寒天などが原料のゼリー状の菓子「さなづら」。1957(昭和32)年の発売以来、秋田銘菓の一つとして市民に親しまれる。
縦7センチ・横4センチ・厚さ4ミリほどのシート状のため、添付する「ようじ」を使い小さく切り分けて食べられることが多く、かつて、地元の子どもらが自由な形に切り分けて食べていたことなどから「若い世代の皆さんにも当商品の魅力を伝える機会に」と、同社が約15センチ角の「特大さなづら」を特別に用意して企画した。
同社の小国輝也社長から同商品の歴史やエピソードの紹介を受けたり、元パティシエのデザイナーが制作した菓子の扱いについて解説する動画を観たりした親子連れや大学生ら25人は、「秋田竿燈(かんとう)まつり」で使う竿や男鹿市の「ゴジラ岩」、秋田の県魚ハタハタなどの地元の風物や人気キャラなど、思い思いの作品を制作しながら、お茶と共に菓子を楽しんだ。
市内の大学に通う新潟出身の男性は「思っていたよりも作るのが難しかった。初めて食べたが、おいしかった」と話す。小学2年の女児は「上手にできた。楽しかった」と笑顔を見せる。
美術館併設のカフェなどで展覧会に合わせた菓子を提供する小国社長は「いずれも素晴らしい作品。今春、50年ぶりのリニューアルした当商品を楽しんでもらえたのでは」とイベントを振り返る。「トーストのジャムやジュレとして肉料理などにもよく合う。さまざまな楽しみ方の提案につなげられれば」とも。
現在、同商品で作る作品写真を募集する。ハッシュタグ「#さなづらアート」を付けてSNSに投稿することで受け付ける。優秀作品に賞品を進呈する。7月24日まで。