秋田市内でナポリピザ専門店を営業する大関真吾さんが、3月8日、ピザ職人の調理技術を競う「第8回カプートカップ日本大会」で、見事、日本一に輝いた。
ピザ職人の技術向上などを目的に、日本ナポリピッツァ職人協会(東京都渋谷区)が年1回ペースで開く大会。EUが定める伝統的な「ナポリピッツァ」の規定に基づいてマルゲリータやマリナーラを作る「S.T.G.部門」と、オリジナリティーを加えたメニューを作る「クラシカ部門」の2部門に分け、生地作りやトッピング、焼成などピザの調理全般の技術を競う。ナポリ在住のイタリア人3人を含む審査員4人が、国内の職人が作るピザの出来栄えを審査する。
東日本と西日本に分けて開く地区大会を経て、神戸市内で開かれた日本大会には、両部門への出場者を合わせて延べ145人が出場。2015(平成27)年の初出場から6回目の挑戦となる大関さんは、約80人がエントリーした「S.T.G.部門」で初優勝を果たした。「クラシカ部門」の優勝は、京都府宇治市で専門店を営業する大削恭介さん。
これまでに3大会で予選落ちの苦渋も味わった大関さんは「(生地のサイズを大きくすることで生地が破れるリスクはあるが)小さくまとめたとしても勝てない」と分析。「勇気を出して、出場者のうち1番大きなピッツァを目指したこと」や「窯の状態が十分に安定しない中でも、うまく焼き上げる条件をそろえることができたこと」などが功を奏した。
6月にイタリア・ナポリで開催予定の本大会へ駒を進める大関さんは「一発勝負の世界。私は経験も実力もまだまだだが、先輩の皆さんのアドバイスを得ながら、世界大会でも力を出し切ることができれば」と意気込みを見せる。
現在、秋田市民市場(秋田市中通4)内に店舗を構える「ゼッキーニ ピッツァ バンカレッラ」に加え、市内スーパーなどを回るキッチンカー営業も手掛ける大関さんは「サイズが大きくても、おいしく1枚を食べ切れるようなピッツァ作りを心掛けている。私のような『おっさん』が秋田にいることで、少しでも地元に勇気を伝えられれば」と話す。