秋田市下浜八田で1月8日、同地区に伝わる小正月行事「やまはげ」が行われた。
「なまはげ」に似た面と、ワラで編んだ「ケラ」と呼ばれる装束を身に着けた「山の神」が、御幣をぶら下げた棒などを手に携え、無病息災や家内安全、子どもの成長を願いながら、町内を回る。
行事を承継する同地区の青年会が、6匹の「やまはげ」に扮(ふん)し、3組に分かれて約40世帯を回った。
「町外に居を移した当地区出身者も、行事に合わせて子どもを連れて実家に帰ってくる。やまはげは年に一度、地域の人たちの達者な様子を確認する機会にもなっている」と同青年会の荻原良一さん。「頭から血を流して倒れているお年寄りをやまはげが発見し、救急車を呼んだこともある」とも。
「近年は青年会のメンバーが13人にまで減ったが、これからも町内出身者などを中心に気負うことなく続けていきたい」と話す。