秋田市在住の女性2人が6月19日、地方に暮らす人々を紹介する冊子「ユカリロ」を発行した。
編集に当たったのは、2013年10月に開かれた古本市で出会ったという編集者の三谷葵さんとカメラマンの高橋希さん。
「東京から秋田に転居した境遇など共通点があった」ことから意気投合し、「地元の人々にとっては当たり前のことでも、外から見たらちょっと変わっている面白いことを紹介しよう」と、「普通に暮らす普通の人を取り上げること」をコンセプトに冊子の発行を決めた。
「人との出会いを大切にしたい」との思いを誌名「縁路(ゆかりろ)」に込め、郷土漬物「いぶりがっこ」やわら製「履物」を手作りする県民などを取材。県魚「ハタハタ」が題材の小説やコラムのほか、知人の寄稿文も掲載した。
「楽しいことを計画して自由に実行することができる『隙間』は東京より地方の方が多い」と高橋さん。三谷さんと高橋さんは「普通の暮らしは、つまらない暮らしではない。日常に潜む『変』なところを誌面を通じて皆さんと楽しめたら」と口をそろえる。「構想から2年以上かけて創刊号の発行にこぎ着けたが、次号は来年の今ごろ」とも。
仕様はA5変形判、カラー、72ページ。価格は880円。高橋さんらが潟上市内で開催中のイベント会場などで販売するほか、ネットでも扱う。