秋田県内の風物や人物の紹介を通じて地域の魅力をPRする無料季刊誌「のんびり」の表紙写真が話題になっている。

表紙写真が話題を集める秋田の観光PR誌「のんびり」

　観光誘致などのPR事業の一環として秋田県イメージアップ推進室が発行する同誌。地元の風物などの紹介にとどまらず、生きる上での価値観も提案するPR誌として、秋田や東京で活動する編集者や写真家、グラフィックデザイナーら17人が編集に当たり、これまでに2号を発行した。

　中でも、写真家の浅田政志さんがフィルム写真にこだわり、複数の秋田の風物を盛り込みながらもCG合成などの技術を一切使わない「表紙の写真」が話題になっている。

　7月発行の創刊号は、伝統的な農作業着姿の女性が乗った農機具と夏祭り「竿燈（かんとう）」の竿（さお）を立てた田んぼのあぜ道を背景に、地元の人気アイスを片手にした農家と秋田犬が「のんびり」している様子を撮影した写真。

　現在、首都圏のイベント会場で限定配布中の2号は、8月に大仙市で開かれた全国花火競技大会会場に地元で生産されたダリアを並べ、市女笠姿の女性と西馬音内盆踊りの衣装に身を包んだ女性を花火が上がった瞬間に合わせて撮影した。

　秋田市在住のグラフィックデザイナーで編集スタッフの矢吹史子さんは「デザイナー仲間から『合成写真では』と聞かれることもあるが、その場で起きているライブ感を大切にした1枚の写真にこだわっている」と話す。「次号もいい意味で皆さんの期待を裏切りたいので（笑）、楽しみにしてもらえれば」とも。

　ホームページで撮影現場の動画も公開する。B5判64ページ。2号の配布は10月1日、首都圏など県外を中心に配布予定。