「がん」闘病を続けながら、「リンパ浮腫セラピスト(医療リンパドレナージセラピスト)」として活躍する大塚弓子さんが2月上旬に出版した手記「ミラクルガール」(無明舎)が、「明るい闘病記」としてがん患者のほか、地元の企業経営者の間で話題になっている。
17歳で甲状腺がんを発症し、26歳で再発。「がんの術後に発症することが多い『リンパ浮腫』について、広く知ってもらいたい」と、闘病を続けながら「リンパ浮腫セラピスト」資格の取得に挑戦する様子や資格取得後に仕事を獲得していくプロセスなどを、ユーモアを交えながらつづった。困難を克服しながらチャレンジを続ける大塚さんの姿が書かれた同書の内容から、患者には「明るい闘病記」、ビジネスマンには「経営者が自分に灸を据えるのにいい本」と評されるなど評判を集める。
現在、秋田市と石巻市の病院に勤務する傍ら、個人でも開業する大塚弓子さん。「国内に12~14万人の患者がいるとされるリンパ浮腫だが、一般の理解が薄く、夫に仮病だと言われる女性患者もいるのが現状」と話す。
「病気が治ることが奇跡なのではなく、『朝に目が覚めたこと』『おにぎりがおいしかったこと』など毎日の身近な小さな出来事のすべてが奇跡だと思う。この本を通じて日常を普通に暮らせることの大きさや日々の小さな奇跡を感じるきっかけにしてもらえれば」と話す。
四六判、209ページ。価格は1,575円。