秋田の伝統工芸技術「曲げ木」を使った幼児向け木製二輪玩具「Type-01」が、世界から注目を集めている。
同製品を企画・販売するのは「ワークス・ギルド・ジャパン」(秋田市将軍野南2、TEL 018-880-5145)。同社デザイナーの大野英憲さんが、「曲げ木」技術を活用した木製家具の製作を検討する過程で、知人との会話の中から幼児向け「木製自転車」を企画。「曲げ木」技術を持つ地元企業と協力し、秋田県産など東北地区で伐採されたブナ材を使い全長85センチ、重さ約4.2キロのペダルのない自転車を8月に完成させた。
「ヨーロッパでは、幼児のバランス感覚を養うためにペダルのない自転車を使う文化がある」ことから今年9月、ドイツ・ミュンヘンで行われたヨーロッパ最大のサイクルイベント「ユーロバイクショー」に同製品を出品。高いデザイン性や「曲げ木」の技術力などに注目が集まり、来春までにベルギーや韓国などへの輸出が決まったほか、イタリアなどヨーロッパを中心に25カ国以上から引き合いもあるという。
大野さんは「現在は、木製自転車の文化がある海外市場がメーンターゲットになるが、国内でも自転車と『木育』文化が両立された社会になる下地はある。『匠(たくみ)』の技が生きる秋田産のメード・イン・ジャパンとして愛用してもらえれば」と話す。
価格は38,000 円(専用スタンドは2,500円)。