秋田県産業技術総合研究センター(秋田市新屋町、TEL 018-862-3414)は6月3日、研究成果の報告会を開いた。
分解した「プリウス」の実車を前にHVシステムを説明する高岡室長
同センターが研究の柱に位置付ける「ナノデバイス」「ユビキタス」「医工連携」「輸送機」の4分野について、センター研究員らが研究成果の発表を行う報告会は今年で5年目。各研究員は、電機部品メーカーと行う共同研究の経過や、DNA解析技術が実用化に向けて進展していることなどを報告した。
今年は、ハイブリッド車「プリウス」の分解モデルも展示。トヨタ自動車の高岡俊文HVシステム開発室長が講師を務めた基調講演には、部品メーカーなど関連企業の技術担当者ら200人以上が集まった。
高岡さんは、同社ハイブリッド車の開発経緯や歴史、これからのクルマ社会が抱える課題とハイブリッド車の可能性などについて、クルマの商品力の観点を交えながら解説した。
同センターの斉藤耕治主任研究員は「ハイブリッド車の普及で、これまで自動車技術との関連性が低いと考えられていた技術要素も増えた」とし、「企業には参入のチャンスだが、従来使われていた自動車部品が今後は不要になることもあるので、企業の新技術への対応力や体質改善も求められる」と話す。
分解した「プリウス」は、7月下旬まで同センターで展示する。