秋田の下宿旅館、祖母の受け継ぎ孫が改修・再開へ-記念イベントも

お茶の間のような温かさが漂う同館ロビー

お茶の間のような温かさが漂う同館ロビー

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 伊藤旅館ゲストハウス(秋田市山王7、TEL 018-866-5162)は9月21日、同館のオープンを記念したイベントを開催する。

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 もともと伊藤嘉代子さんの祖母が下宿として経営していた同館は、利用者の減少などを理由に数年前に閉館。それまで東京のホテルに勤務していた孫の伊藤さんが、「新しいスタイルのスペースとして運営できないか」と考え、「泊まる・暮らす・食べる・集う」をコンセプトに同館の経営を決意。宿泊や下宿のほか、飲食や部屋の貸し切りもできるスペースとしてリニューアルオープンにこぎ着けた。

 「借金をしないという祖母との約束があったので、建物の改修も自分でやった」と話す伊藤さん。6月にプレオープンしたが、「自分なりの改修工事が一通り終わった」ことから、オープン記念イベントを開催することにしたという。

 伊藤さんは「この場所の人の流れを守りたい思いもあったが、そのままのスタイルで下宿を引き継ぐことにも意義を感じられなかった」ところ、「地元の写真や自転車サークルの仲間との出会いなどを通じ、自分のアイデアを具体化するためのイメージも固まってきた」とオープンまでの経緯を振り返る。「この建物は、祖母が長年かけて直したり足したりしてできたものなので、その良さをできる限り残していきたい」(伊藤さん)と、館内ロビーにあるもらいもののソファーや腕の折れた人形の置物も「モノを大切にする祖母の意向」(同)。

 記念イベントの飲食メニューは、「塩ちゃんこ鍋とおにぎりセット」(600円)と「佐藤家」のコーヒーと和菓子のセット(同)。地元のはんこ作家や手芸作家の手作り作品の展示・販売、着色したオイルを使った心理診断・オーラソーマ(20分=1,500円)も行う。

 伊藤さんは「ずっと自分らしい仕事を模索してきたが、いいエネルギーを持った人たちに恵まれてここまでできた。下宿は現在、2人を募集しているが、私も自分なりの目標を持った人を応援できれば」と話している。

 イベントの開催時間は、11時~20時。時間内は入退室自由。

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