ルイス・ナッシュら世界的ジャズメンとのセッションで全国的に知られる秋田市在住のジャズピアニスト・早川泰子さんは9月15日、新作CD「Yasuko in Hawaii」(フルハウス)を発売した。
前作「ムーンウォーカー」以来3年ぶりとなる新作は、2006年秋に吉祥寺のジャズクラブ「Sometime」や新宿の「Jazz Spot J」で早川さんの演奏に感銘を受けたというハワイで大学教授を務めるケン・クックさんとの出会いがきっかけ。クックさんが早川さんに提案して実現した2007年2月に行われたハワイ公演の成功を受けて企画されたもの。
「ハワイにはアメリカ本土から移住した熱烈なジャズファンも多く、現地で開催されるプロ向けのワークショップにはアメリカ本土から参加するミュージシャンもいるなどジャズが盛んな土地柄」と話す早川さん。「前回のホノルル公演に尽力してくれたクックさんや、ビジネスライクな付き合いが多い海外のミュージシャンの中にあって、友人として交流してくれるメンバーにも恩返しをしたい」(早川さん)との思いで今年3月、ホノルルのライブホール「レッドエレファント」で2度目のハワイ公演を行い、その模様をCDに収めた。
レコーディングメンバーは、現地のミュージシャンによるトランペット、ビブラホン、ベース、ドラムスの5人編成。満席となった約100席の会場には「秋田からもファンが駆けつけてくれた」(同)。早川さんは「そもそもは、友情とちょっとした縁からできたバンドだが、長年いっしょに活動してきたかのような錯覚を起こすほど演奏の息が合った。サポートする能力やセンサーが強いメンバーに恵まれ、ステージ上での良好なコミュニケーションがオーディエンスにも伝わって、会場全体の空気に一体感が生まれた」と振り返る。
早川さんは「一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしたいので、メールをくれたファンには私自身が返信している。全国からライブの感想やCDの注文が寄せられるが、音楽は作る時も作った後も縁を紡いでいけることが素晴らしい」とし、「ホノルル公演の会場は音質が良いホールとしても有名で、録音品質も特にいいと思う。この作品で雰囲気のあるモダンジャズを楽しんでいただければうれしい」と話している。
CDはディスクユニオン、タワーレコード、HMVで販売するほか、早川さんのホームページでも受け付ける。「希望があればサインもする」(早川さん)。10曲収録、2,800円。