秋田県内の風物や人物の紹介を通じて地域の魅力をPRする季刊誌「のんびり」が創刊し、現在、県内外で創刊号が配布されている。
秋田県イメージアップ推進室が観光誘致など県のPR事業の一環として発行する同誌。雑誌編集者の藤本智士さんが編集長を務め、秋田や東京で活動する編集者や写真家、グラフィックデザイナーら17人がコラボして編集に当たった。
「全国的に最下位の指標も少なくない秋田だが、『ビリだけではない』ことを伝えたい」との思いを誌名「のんびり(non-biri)」に込め、地元の風物などの魅力の紹介にとどまらず、生きる上での価値観の提案も意識して誌面作りを心掛けた。
創刊号は、地元で料理や菓子としてよく食べられる「寒天」などを特集したほか、大潟村の農家親子のインタビュー記事や編集者のコラムなども掲載。編集会議ではテーマだけを決め、後は現場で見聞きしながら取材を進めるスタイルで、ライブ感のある記事を追求したという。
編集に携わった秋田市在住のグラフィックデザイナー・矢吹史子さんは「全国区で活躍する編集長を迎え、多くの刺激を受けながら制作を進めることができた。誌面を通じて、秋田で得られる感動を県内外の皆さんへ伝えられれば」と話す。「次号は創刊号以上のインパクトある内容を目指して制作を進めている。期待いただければ」とも。
B5判64ページ。2万部を発行。1万5000部を首都圏など県外で配布するほか、県内では道の駅などに設置する。来年3月まで4回の発行を予定し、次号は9月下旬発行予定。