秋田では初めてとなる福祉理容関連のNPO法人「福祉理容美容協会ほわいと」(秋田市中通6、TEL 018-834-4694)が6月、設立された。
NPOを立ち上げたのは、秋田市の理容店「ヘアーメイクサロン赤石」(同)店長の岩見谷真広(みちひろ)さん。「来店客や知人に重度の障害を持った人がいた」ことなどをきっかけに、昨年、障害者を対象にボランティアでヘアカットサービスを始めたが初日の利用者はゼロ。「自分では何かの役に立ちたいと思っても、空回りしているような思いだった」が、続けるうちに利用者も徐々に増えたことから、岩見谷さんの取り組みに賛同する知人ら4人とNPOの設立を決めた。
NPOの事業は、特別支援学校に通う生徒を対象に、カット・シャンプー・顔そりのコースを500円で提供する「スマイルワンコインヘアカット」サービス。
ホームヘルパーの資格も持つ岩見谷さんは「福祉の現場では品質とコストのバランスを取りづらいことも多いが、ライフワークとして取り組んでいきたい」と意気込む。「不登校で家に引きこもる少年は秋田にもいると聞くが、容姿を整えることは精神衛生の向上にもつながり、社会復帰の準備にもなる。理容の技術を広く役立てていくことができれば」とも。
サービスは7月から2カ月に1回のペースで同店で提供し、収益は障害者支援団体へ寄付する。