秋田県立美術館(秋田市中通1、TEL 018-853-868)で現在、企画展「藤田嗣治 布との対話 筒描・藍染を慈しむ」が開かれている。秋田経済新聞などが後援。
油彩画の大作「秋田の行事」などで知られ、秋田とゆかりの深い藤田嗣治。藤田が作品の重要なモチーフとして描いた染織品や衣装など、布に着目した1930年代の作品18点と、1936(昭和11)年の油彩画「自画像」にも描かれる、藍染の茶道具柄の布など、藤田が収集した日本の染織品や衣装、布の端切れ、自身で作ったはんてん、布や衣装について記した書簡など、布にまつわる資料19点を展示する。展示品は、現在、フランスで一般に公開されている、藤田が晩年を過ごした住居兼アトリエ「メゾン=アトリエ・フジタ」から取り寄せた。
同館学芸員の小泉俊貴さんは「自らミシンで服を作るほど布にこだわりを持った藤田の作品は、染織品や洋服、着物のしわや模様まで細かく描かれている。文化や暮らしの一コマを布と共に描いた藤田の作品から、故郷への愛着が感じられる。『布』という着眼点から、人物としての藤田の一面を見つけてもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。入場料は、一般=800円、大学生=500円、高校生以下無料。3月7日まで。