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秋田でセンサー管理栽培の酒米使い「酒造り」 農業法人が農家・酒蔵と連携で

センサー管理した酒米の可能性について話す「上新城ノーザンビレッジ」の柳智仁(りゅうちいん)さん

センサー管理した酒米の可能性について話す「上新城ノーザンビレッジ」の柳智仁(りゅうちいん)さん

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 農業法人「上新城ノーザンビレッジ」(秋田市飯島鼠田2、TEL 018-884-7441)が現在、「圃場(ほじょう)用環境モニタリングセンサー」で栽培した酒米を使った酒造りを進めている。

TDKが秋田の農業法人向けに開発した圃場(ぼじょう)用センサー

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 「TDK」(本社=東京都港区)が同農業法人向けに特別開発したセンサーを田んぼに設け、気温や水温、地温などのデータを測定・分析し、稲の栽培プロセスに生かす実験に2015年から取り組んできたところ、米の食味が期待を上回るものだったことから、昨年初めて、大仙市南外の酒米農家の協力を得るなどして酒米の栽培にも転用した。

 現在、秋田清酒(大仙市)、出羽鶴酒造(同)と連携し、精米歩合50%、「AKITA雪国酵母」を使った酒造りに取り組み、3月に「搾(しぼ)り」作業を予定している。

 同法人で同プロジェクトを担当する柳智仁(りゅうちいん)さんは「センサーを使いデータを集めることで、気温が低い時期に期間水をためる量や中干しの期間、稲刈りの時期などを決めることができる。科学の力で品質管理された酒米を使った日本酒の味を皆さんに評価いただきたい」と自信を見せる。「当プロジェクトを通して、県内ではほとんど生産されない酒米の王様『山田錦』の北限の生産地につなげられば」とも。

 同法人では現在、クラウドファンディングを通じて活動支援を呼び掛けている。リターン品には、センサー管理した酒米が原料の純米大吟醸「智酒(ちしゅ)・一期一酒」と、これまでの酒米を使った「一期一酒」の飲み比べセットなどを用意する。

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