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すきかちっ Vol.3/ウタトエスタジオ #04

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記事提供:すきかちっ

秋田県出身のシンガー・ソングライター渡部絢也さんと、愛媛県出身のイラストレーターいせきあいさんによる制作ユニット「ウタトエスタジオ(Utatoe Studio)」。歌と絵を組み合わせたライブパフォーマンス、絵本やミュージックアニメ、テレビCMなど、さまざまなコンテンツを共同制作している。ウタトエスタジオの企業理念、そしてその先にあるものは?「Vol.3」最終回は、渡部さんといせきさんが見つめる未来に迫る。
※以下、渡部=渡部絢也さん、いせき=いせきあいさん

マッチングに成功!

Matirog「お二人は歌と絵を発信する立場ですが、受信者としてのメディアの利用頻度や内容はどのようなものですか?」

渡部「普段はインターネットでニュースを見ることが多いですが、そうすると自分の好きなものばかり見てしまい、それ以外の情報を拾えません。そこで最近は新聞を重点的に読んでいます。読んでいて気になる記事があればアプリ『OneNote』で写真を撮ってスクラップしています。また新聞と同様にテレビでもネットニュースでは気にとめないような情報や今、流行っている情報も得ることができるので、新しい発見につながっています。見てくれている子どもたちやその保護者たち向けにコンテンツを届けていく中で、その人たちが知りたい情報や困っていることに、僕たちはどのくらい応えられるのかが大事だと思っています。提供する媒体はYoutubeのような動画なのか、いせきの描く4コマ漫画なのか?など、これから僕たちが生み出すコンテンツについてじっくり考える時期に来ていると感じます。自分たちが出したいものをただ提供するのではなくて、お客さんが求めるものを作っていきたいですね」

Matirog「アメリカでは、映画やドラマを見るにはテレビよりも『Netflix』の方が熱い支持を受けているようです。Netflixでは集まった資金を基に、視聴者が使いたい俳優で見たい作品を作り上げています。絢也さんのお話はつまりウタトエスタジオの作品の受信者の方たちが希望したものから、新たな作品のエッセンスを抽出し、作品作りを始めようということですよね?」

渡部「そうですね。僕たちができることと、お客さんが望むことで重なる共通部分から広げていきたいです。 『歌と絵のライブ』のいくつかあるコンテンツの中で、絵描き歌が一番人気がありました。絵描き歌が人気な理由はさまざまあると思います。理由の1つとしては、今まで描いたことのない生き物を、その場ですぐ描くことができた!という達成感を、子どもたちが得られたのだと思います。『絵を描くことは楽しい』と思えるきっかけを、絵描き歌は生み出せると思います。子どもたちは『楽しい』を見つける天才ではありますが、大人からの働きかけを受けて楽しさを知れば、あとは自分から楽しもうと一生懸命になりますよね。また、保護者が子どもたちに対して絵を描いてほしいと望んでも、保護者自身が絵を描く楽しみをどのように伝えたらいいのか分からないという場合も多いのかもしれません。絵を描くという文化的体験をさせてあげたい保護者の願いも、ライブ中の絵描き歌を通して実現できます。このようなことは、ライブ会場でなくとも、ネット上でも実現できるはずです。今後はいせきのイラストや僕の音楽を使ったコンテンツをネット上でも提供していきたいですね」

Matirog「絢也さんとあいさん、子どもたちとその保護者、それぞれのパーツが組み合わさって完成していくんですね」

渡部「これから先やりたいことの一つに、曲作りのレッスン動画制作があります。例えばオノマトペ(自然界の音や状態などを表す擬音語)を言葉で表現する方法です。海であれば、波の音の『タプン、タプン』だったり、『ザブーン、ザブーン』だったりしますよね。それにメロディーをつけて『海がタプンタプーン』のように、音を曲にするんです。特別な能力は必要なくて、誰でも曲が作れます」

Matirog「いや、僕できるかな(苦笑)」

渡部「作ろうと意識していないだけで、難しくありませんよ。いろいろな遊びをしたい子どもたちや、想像力を養わせたい保護者たちはたくさんいると思うので、僕ができる動画制作のスキルを活かして『曲作り』のレッスン動画を届けたいですね」

Matirog「曲作りのレッスン動画、楽しみです!そして、これは僕個人がお二人にやってもらいたいことなのですが、いつか『おかあさんといっしょ』の歌を作ってください!息子と一緒にテレビから流れるウタトエスタジオの歌を歌いたいんです」

「ウタトエスタジオ」の活動理念

Matirog「ぜひお聞かせください!」

いせき「それは『歌と絵で、心を豊かに!』です。心の豊かさは、自分の心がいろんなものに感動できる状態であったり、好奇心を持って周囲を見つめるられることだったり、人や生き物、自然に愛情を持って接することができる状態だったりすると思います。好奇心を持って見つめると、ワクワクとした気持ちが生まれますよね。そのワクワクとした気持ちを表現し伝える楽しさを、私たちの歌と絵を通してお客さんに伝えていきたいです。好奇心を抱く目を養い、見たものを感じ、そのときに感じた気持ちを受け止める状態、そしてその気持ちを表現できる力を、一人一人が持てるようなきっかけを作れたらいいなと思います」

Matirog「僕もそうですが、子育て中のお父さんお母さんには、わが子には豊かな感情や好奇心を持つ子どもに育ってほしいと願っている方が多いですよね」

渡部「はい、それは人が生きる意味にもつながると思っています。美しいものに感動し、気持ちや時間にゆとりがある状態は、大人にとっても幸せなことだと思います。誰しも心が豊かである状態を保ち続けたいと願っているはずです」

Matirog「子どもの頃、『蝶々はなぜ飛ぶんだろう?』とか『木漏れ日って神秘的だ』と日常のあらゆることに対して好奇心が湧き、感動してましたが、大人になってその感情は鈍くなってしまいますもんね」

渡部「僕たちの歌や絵に触れて、感動したりワクワクしたりする気持ちを思い出してくれたら嬉しいです」

Matirog「コーポレート・アイデンティティー、ビシッと決まりましたね!」

渡部「ようやく自分たちの方向性がはっきりしてきたので、今後この理念をどんどん前に出して活動していこうと思います。クラウドファンディングで僕たちの活動に協力してくれた人たちや喜んでくれる人たちがいたおかげです。みなさんに気づかせてもらいました」

いせき「自分たちが大切にしたいことがはっきりしたので、誰と一緒に何ができるかが明確になりました。同じ価値観を持った人たちと一緒に手をつないだら、考えてもみなかったことが実現するんじゃないかなと思っています」

渡部「『歌と絵で、心を豊かに!』の理念には、より多くの人の心を豊かにする願いも込めています。そのためには、僕たちが発信したものに対して、いいと思ってくれる人を増やさなければいけません。これまでは個人のSNSで情報発信していましたが、なんとなくSNSの活用目的が宣伝活動だけになっている気がしていて…。これからは僕たちの思いでもある理念に共感してくれる人、応援してくれる人を増やすことを目的とした発信をしていきたいですね」

Matirog「歌と絵+アルファで広がっていきそうですね。今の説明を聞いて、企業価値がグッとあがりましたよ。投資してくれる人も増えそうじゃないですか。歌と絵で人の心を豊かにすることで、世界は今よりもきっと良くなりますよね」

自分にとっての豊かさは、どこにあるのかを知る

渡部「シンガー・ソングライターをやっていると『どうして歌うの?』と聞かれることがあります。その度に『人を感動させたいから』とか、『思ったような演奏がしたいから』などと答えてきました。ではなぜ、人を感動させたいのかというと、やはり人の心を豊かにしたいんですよね。あらゆる芸術活動をしている人は、人の心を豊かにしたいという思いがあって活動しているんじゃないかと思います」

Matirog「ギスギスしたこの社会で大切なのは、やはり豊かさですよね。『Rich』は『お金持ち』という意味に捉えがちですが、本来の意味は『豊かさ』なんです。本当にリッチな人は、心が豊かな人なんだろうと思います。心の豊かさとは何かということに気づいていない人もたくさんいますからね」

いせき「私たちも『豊かさっていったいなんだろう』『どういう状態なんだろう?』ということを話し合い、探りました。豊かさについて考えられるようになったのも、ウタトエスタジオがある秋田市河辺岩見が自然に囲まれていて、そこでいろんな生き物に出会うからなんですよね。気分がクサクサしているときに、ふと窓の外を見るとアナグマやタヌキが走っていたりして、その愛らしさにふっと心が緩められることが多くあります。その時に、心が豊かだなと感じるんです。人によって豊かさの基準はそれぞれ異なりますが、私にとっての豊かさはあのスタジオにあるんだと実感します」

Matirog「何度かスタジオにお邪魔しましたが、本当に素晴らしい場所ですよね。作品を生み出すクリエーターにとっては最高の環境だと感じました。自然に囲まれたのびのびとした環境にいると、リラックスした状態で音楽や絵が作り出せそうですね」

渡部「実際のところ、僕たち自身もまだ心が豊かだとは思っていません。それを目指してる段階で、同じ気持ちの人と手をつないで、一緒に『本当の豊かさ』を目指していけたらいいなと願ってます」

Matirog「自分の心を豊かにすること、相手の心を豊かにすることは、誰もが望んでいることです。僕も含めてですが、ウタトエスタジオの企業理念が確立されたことで、お二人の活動や込められた想いに共感する人は多く生まれると思います。早速、僕の曲『パセリケ』のアレンジも豊かにしてもらいたいです(笑)。今回はお忙しい中ありがとうございました!お二人のこれからの活動も応援しています!」

渡部・いせき「ありがとうございます!!」

★次回~尾樽部和大さんの「秋田の大泉洋になるvol.4-#1」は6月18日配信予定です。お楽しみに!

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すきかちっ(Phiomn)