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秋田美大でアートプロジェクト「Akibi plus」成果報告会

秋田公立美術大学で開かれた「AKIBI plus2016」事業報告会

秋田公立美術大学で開かれた「AKIBI plus2016」事業報告会

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 秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)で2月11日、アートプロジェクト「AKIBI plus(アキビ・プラス)2016」事業報告会が開かれた。

秋田公立美術大学の岩井成昭教授(右)と「AKIBI plus」スタッフ

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 同大の岩井成昭教授のグループが、地域との関わりが深い芸術分野などのマネジメントができる人材の育成などを目的に、県内4エリアで展開した同プロジェクト。

 事業報告会には、秋田市内に滞在して作品制作に取り組んだ美術家の岩井優さん、男鹿市でカフェを経営する猿田真さん、五城目町で地域活性化事業に携わる柳澤龍さん、滞在型アートスペースを運営する美術家の矢津吉隆さん、仙北市在住の彫刻家・佐藤励さんの4人が、約50人の参加者を前にそれぞれ成果報告を行った。

 同大学の学生らと協働し、秋田市内のリサーチを通じて制作した映像作品などを展開した岩井優さんは、作品の制作手法を地域に伝えることの意義などを紹介。猿田さんは、地域特有の事情を踏まえながら、「アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)」の準備過程などを紹介した。

 報告会後半に行ったディスカッションでは、岩井教授による「4エリアの取り組みを共有し、学びにつなげるためのネットワーク化をどのように図っていくべきか」との問いに対し、「活動に魅力があれば、会ってみたいと思える相手が見つかる」と柳澤さん。矢津さんは「ネットワーク化は各地の独自性を弱め、平均化を招いてしまう恐れもある。何をどのようにネットワーク化するのかについて考えることが重要」と課題を提示した。佐藤さんは「それぞれの事業をつなげるハブとして役割を果たす同大学の存在が大きい」と応えた。

 岩井教授は「表現者が内部で専門的に充実させるべき核心と、活動をいかに公に向けて平易、かつオープンにできるのかという矛盾が明らかになった。地域の土着力と外部の客観性の融合を図る『辺境芸術宣言』によって矛盾を乗り越えていくことができれば」と振り返った。

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